メシアを訪ねて 宝の箱を開ける

2018年12月31日 聖日礼拝
聖書箇所:マタイ福音書2:1~12
説教:深谷美歌子牧師

東京聖書学校吉川教会は4年前に改築しました。改築前は、十字架を下から照明して浮かび上がらせるようになっていました。しかし、明かりが暗くて、よく見えない感じがありました。改築の時に、LEDの十字架に付け替えました。夜空にくっきりと十字架が輝いています。どちらから来ても、それはよく見えるようになりました。
本日は、東の国で救い主誕生のしるしの星を見つけた博士達の箇所から、聖書の告げるクリスマスの意義を「メシヤ(救い主)を求める」という主題と、出会った者達が宝を捧げたことを見てまいります。

【概観】
1‐2節 イエス様がベツレヘムに生まれ、博士が「ユダヤ人の王」を拝みに尋ねて来た。
3‐8節 ヘロデは不安を感じ、学者らを集め生まれる場所を尋ね、
    「見つかったら私も拝する」と博士らに言う。
9-12節 博士たちが出かけると、星が現れて、幼子のいる場所に導き喜びにあふれ、宝を捧げた。  

1、本物の希望の星を求めよ。  1、2節
1 イエスがヘロデ王の代に、ユダヤのベツレヘムでお生れになったとき、見よ、東からきた博士たちがエルサレムに着いて言った、2 「ユダヤ人の王としてお生れになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みにきました」。             
救い主であるイエス様の誕生は、星が告げたと記されています。そして博士達はこの星に導かれて救い主に出会うことになりました。
ところで、この博士たちは、日頃、何をして生活していたのでしょう。新共同訳聖書には「占星術の学者」と訳されています。占星術という言葉が、この方たちの生活を伺わせます。マギとも呼ばれて、多分、彼らは星を見続けて、この場合はこうしなさいとか、庶民に占うようなことをしていたと思われます。人々の求めに応じて、答えを出していたかもしれません。でも彼ら自身が確かな希望を求めて、星を研究し続けていたのでありましょう。
この学者たちは、いつものように、星を見ていて、突然、見たことのない星が昇るのを見ました。世界的な王が生まれるときは、そのような星が出ると言い伝えられていたようです。彼らは旧約聖書の民数記24:17にあるバラムの預言「わたしには彼が見える。しかし、今はいない。彼を仰いでいる。しかし、間近にではない。ひとつの星がヤコブから進み出る。ひとつの笏がイスラエルから立ち上がり/モアブのこめかみを打ち砕き/シェトのすべての子らの頭の頂を砕く。」を知っていたかもしれません。
あるいは、異常な星が現れてから、文献を調べた結果、ユダヤ人の王が誕生するときは星が現れるということを発見したかもしれません。彼らは「ユダヤ人の王としてお生まれになった方」を尋ねていくことにしました。
 絵で見る博士たちは美しい装いで、しゃんとしていますね。しかし、調べたところではバビロン辺りからパレスチナまで旅をするということは、命がけであったようです。もちろん、乗り物と言ったら、ラクダくらいですし、飲み物、食べ物も、豊富ではありません。砂嵐や、強盗に襲われることがあったでしょう。ヘロデが時期を尋ねて、2歳以下の子を殺したことを見ても、もしかして2年はかかったのかもしれません。しかし、彼らは歴史上、またとない王の誕生に、ぜひお目にかかりたいと願いました。彼らは今までにない、歴史が覆るようなことが起こったと感じたに相違ありません。それを求めて旅立ったのでした。
 守部さんが、神様を礼拝することは、一億円もらう以上の価値あること、と言われましたが、私達も、目前の必要や困難のために生きる生活から、真の命の満たしを求めたく願います。博士たちがどんな困難をもいとわず旅立ったように。
イブ礼拝はヨハネからクリスマスメッセージを取り次がせていただきました。全ての人を照らすまことの光があって世に来た。ヨハネ1:9でした。罪の結果、全ての人が避けられなかった死、だれもどうしようもなかった世界に救いが訪れました。
 教会はこの希望を伝えています。これを切に求め、出会われますように。

2、占星術の学者かヘロデか  3 節
 3 ヘロデ王はこのことを聞いて不安を感じた。エルサレムの人々もみな、同様であった。
博士達は御子イエス様を「拝みに来ました」と言っています。これは王様に対する態度で、主人に従う僕の姿です。人間が神様に対してする「礼拝」です。世界を導く方を求め、その方に従おうとする姿です。
ヘロデと民衆はどうでしょう?言葉では「わたしも行って拝もう」
と言っていますが、それはウソで、3節では「不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった」とあります。彼らは、世界の王が生まれたと聞いたとき、喜ぶどころか、不安を抱いています。
何を恐れたのでしょうか?彼らは自分の身分、生活が脅かされると思ったのです。
ヘロデはエドム出身で、正当なイスラエルの血筋ではありませんでした。ですから、預言されていた王が生まれたと聞くと、自分の地位が危うくなると恐れたのでした。彼は猜疑心が強く、自分の2人の子供さえ、王位を守るために殺した人でした。拝みに行くと言うのがうそであった証拠に、この後、博士たちが逃げたと分かると、星の現れた時期を聞いていたので、2歳以下の子供を皆殺しにしたのでした。  
「エルサレムの人々も皆、同様であった」とは、この残忍なヘロデがどんな態度に出るかが恐れとなって、世界の王を迎えるより、目前の不安に陥ったのでした。
私も恐れに捕われることがあります。新宿西教会ってどんな教会でしょう?全く知らなかった方々の中に遣わされることでした。迎える皆様もどんな牧師かと不安であったと思います。人間的な欠けがあります。そのようにサタンはつぶやきます。「しかし勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている。」「聖霊があなた方に降る時、力を受ける」それらのみ言葉に「信頼します」と祈って立ち上がります。
自己保身や、人を恐れると、素晴らしい恵みを受けそこないます。
3、ひれ伏して拝み、宝の箱を開けてささげた。  11節
11 そして、家にはいって、母マリヤのそばにいる幼な子に会い、ひれ伏して拝み、また、宝の箱をあけて、黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげた。12 そして、夢でヘロデのところに帰るなとのみ告げを受けたので、他の道をとおって自分の国へ帰って行った。
一方博士たちは生まれた場所を教えられると、さっそく出発しまし
た。そして星に導かれてイエス様にお会いできました。イエス様に出会った博士たちは、 ひれ伏して拝み、宝の箱をあけて、黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげました。宝の箱を捧げたのは、自分が一番大切にしてきたものを捧げたことですね。どんなに喜びであったかが思いやられます。

私の母は子供の時、弘前の教会の分校のような集会に行っていたことがあり、大きくなったらぜひ教会に行こうと思っていたそうです。横浜に出て、仕事の通り道の教会に通うようになりました。そこの牧師夫人が「美味しい御馳走も食べてみなければわからないでしょ。信仰も心を開いてイエス様を自分の罪のために来て下さったと信じて救われるのですよ。」と導かれ、「信じます」と祈ったそうです。すると嬉しくてうれしくて仕方がなくなり、姉たちを次々教会に誘いました。救われて、子供が牧師になったり、教会の奉仕を喜んでしています。「私は強い性格だったから、姉たちにつらく当たったりしたことがあったんな。(信州弁、あったんですの意味)」悔い改めて赦された喜びで、部屋中に御言葉を書いて貼っていたと聞きました。信徒伝道学校に学ぶうち、父が紹介され、結婚して、最初、横浜で、戦争中から父の郷里の長野県喬木村で、伝道に身を捧げました。父も母も「主にすがるわれに悩みはなし~」と讃美しつつ「伝道は楽しい」と生涯伝道し続けました。
主に出会うと、別な道、永遠の命の恵みに生き始めます。

4月から新宿西教会に遣わされて9か月が過ぎました。素晴らしい教会に導かれて、心から感謝しています。108年の歴史のなかで、繋がり続けた神の家族が、愛し合い、自分の賜物を惜しみなくささげて、教会に仕えています。先週は若い兄弟姉妹がろうそくの点火や、讃美、その他、生き生きと仕える姿に感動でした。何物にも代えがたい主に出会う命に、次ぎつぎ与かる人々が起こされますように。

【祈り】天のお父様。今日はクリスマスの星を見つけた博士たち(占星術の学者)と、それを知りながらも、人間の恐れに心を奪われ、救いを見いだし得なかった人々のことを学ばせていただきました。
メシヤを求めて出会った喜びに、礼拝毎与からせてください。あなたをしっかりと見上げ、喜びの生涯を歩ませてください。
主のみ名によって アーメン