2020年12月6日クリスマス音楽礼拝説教
聖書箇所:ルカ1:26~38 サムエル下7:121~16
説教者:ベアンテボーマン先生
皆さん、クリスマスおめでとうございます。コロナの感染が拡大している昨今ですが、
コロナ感染の防止のために、十分気を遣いながらも、クリスマスをお祝いできること
は、すばらしいことだと思います。
今日は、この午前中は、礼拝において、新約聖書と旧約聖書から、クリスマスにつ
いての大切なメッセージを共に受けたいと思います。説教題は「永遠の恵みと愛」です。
クリスマスはこの「永遠の恵みと愛」が現れた日なのです。
I ルカ福音書1:26―38 《御使いガブリエルの顕現と告知》
26 六か月目に、御使ガブリエルが、神からつかわされて、ナザレというガリラヤの町の一処女のもとにきた。27 この処女はダビデ家の出であるヨセフという人のいいなづけになっていて、名をマリヤといった。28 御使がマリヤのところにきて言った、「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におられます」。29 この言葉にマリヤはひどく胸騒ぎがして、このあいさつはなんの事であろうかと、思いめぐらしていた。30 すると御使が言った、「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵みをいただいているのです。31 見よ、あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その子をイエスと名づけなさい。32 彼は大いなる者となり、いと高き者の子と、となえられるでしょう。そして、主なる神は彼に父ダビデの王座をお与えになり、33 彼はとこしえにヤコブの家を支配し、その支配は限りなく続くでしょう」。34 そこでマリヤは御使に言った、「どうして、そんな事があり得ましょうか。わたしにはまだ夫がありませんのに」。35 御使が答えて言った、「聖霊があなたに臨み、いと高き者の力があなたをおおうでしょう。それゆえに、生れ出る子は聖なるものであり、神の子と、となえられるでしょう。36 あなたの親族エリサベツも老年ながら子を宿しています。不妊の女といわれていたのに、はや六か月になっています。37 神には、なんでもできないことはありません」。38 そこでマリヤが言った、「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように」。そして御使は彼女から離れて行った。(26~38節)
御使いガブリエルは神から使わされて、マリヤにイザヤ書7章14節を語りました。30節に「「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵みをいただいているのです。31 見よ、あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その子をイエスと名づけなさい。32 彼は大いなる者となり、いと高き者の子と、となえられるでしょう。そして、主なる神は彼に父ダビデの王座をお与えになり、33 彼はとこしえにヤコブの家を支配し、その支配は限りなく続く」と、告げられました。それは、救い主に関する真理であり、「どうしてそんなことが・・・」と迷うマリヤに「全能の神にとって不可能なことがあろうか」と告げたのです。
いと高き方の御子であられるイエス様は神であり、すべてのものを創造された方であります。(ヨハネの福音書1章1節―3節)
また、イエス様は、アブラハムの前からおられる(ヨハネの福音書8章57節)永遠の方なのです。
クリスマスは、まさに、旧約聖書で預言された、神の子イエスキリストの誕生という出来事でした。
II サムエル記 下 7:12―16 《ダビデ契約》
A 永遠の王国を堅く立てる
12 あなたが日が満ちて、先祖たちと共に眠る時、わたしはあなたの身から出る子を、あなたのあとに立てて、その王国を堅くするであろう。13 彼はわたしの名のために家を建てる。わたしは長くその国の位を堅くしよう。・・・・・・16 あなたの家と王国はわたしの前に長く保つであろう。あなたの位は長く堅うせられる』」。(12~13節、16節)
12、13節で、神様はダビデに「あなたが日が満ちて、先祖たちと共に眠る時、わたしはあなたの身から出る子を、あなたのあとに立てて、その王国を堅くするであろう。13 彼はわたしの名のために家を建てる。わたしは長くその国の位を堅くしよう。」と言われました。「ダビデの王国、王座は永遠のもの」というこの神様の約束は、ダビデの子と呼ばれたイエス様によって成就することとなったのです。イエス様はこの世に属するものではない、永遠の、霊的な王国を確立されました。(ルカ福音書17:20―21、 ヨハネ福音書18:36)。
キリスト者はキリストとの関係の中で、永遠の王権が与えられているのです。(ルカ福音書22:29)。
イエス様が死からよみがえられたことによって、キリスト者に与えられている「永遠のいのち」が明らかにされました。約束されている王としての権威は、最終的に、天において成就するのです。 (黙示録22章5節)。なんという祝福でしょう!
B 神のいつくしみ(恵み=へセド)は永遠。
14 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となるであろう。もし彼が罪を犯すならば、わたしは人のつえと人の子のむちをもって彼を懲らす。15 しかしわたしはわたしのいつくしみを、わたしがあなたの前から除いたサウルから取り去ったように、彼からは取り去らない。」
(14~15節)
- 無条件の愛
14節を読むとダビデの子孫と神様との間には、父と子という関係が確立されたことが記されます。神は人間の弱さを良く理解された、現実主義的な御方です。やがて、ダビデが罪を犯すことを、実は神は知っておられました。それだから、ここで、「彼が罪を犯したときには」と仰せられたのです。もし、ダビデとの契約がもしも、「人間のきよさ」にかかっているとしたら、その契約は、台無しになってしまっていたでしょう。
ダビデに、神は「もし彼が罪を犯すときには、わたしは人のつえと人の子のむちをもって彼を懲らしめる。しかし、わたしは、あなたの前からサウルを取り除いたようには、「わたしのいつくしみ(恵み=へセド)をサウルから取り去ったようには、ダビデとその子孫からは取り去ることはない。」と語られたのです。ダビデや子孫の不従順によっても、なんと「神のいつくしみ=恵み(=英語訳:愛)」が取り消されることはないことを約束されたのでした。
ところで、日本語の口語訳聖書で「わたしのいつくしみ」と訳している言葉は、ヘブル語Hesedという大変、重要な言葉なのです。この「ヘセド」は、「真実な愛」、「いつくしみ」(口語訳)、「あわれみ」、「恵み」(新改訳)、と訳されています。ダビデに与えられた「神のいつくしみ」という約束は「無条件の愛」を示しているものでした。
この神の無条件の愛(=アガペー)は、新約聖書では、パウロもまた
「キリスト・イエスにある神の愛から、キリスト者を引き離すものは
ない」と確信し、告白しています。(ローマ人への手紙8:34―39)
2. 人の失敗や過失の中における恵み
神は私たち以上に真実な方で(テモテへの第二の手紙 2章13節)、
約束を守られる方です。
ダビデは天才的な英雄でもありますが、弱い、罪人でもありました。
彼は自分の忠実な部下の奥さんであったバテシバと不倫の罪を犯してしまいました。そして、策略をおって彼女の主人ウリヤを間接的に殺害してしまったのです。
でも、彼は預言者ナタンにその罪を指摘され、悔い改めました。バテシバとの間に、跡継ぎになったソロモンが誕生することとなりました。
サタンの試みにあったことも記されます。自分の勢力を誇るためにイスラエルの勇士を数えさせた後(歴代誌下21章1節、サムエル記下24章)、彼は厳しい裁きを受けました。しかし、その罪を悔やみ、悔い改めの、全焼のいけにえをささげるために、打ち場と牛を買った所が、やがて神殿が建つ場所となったことも皆さんご存じでしょう。
ローマ人への手紙5:20で、パウロはこのように記しています。
「罪の増し加わるところには、恵みも満ちあふれました。」
神の愛は決して消えてなくなることはありません。そのことを今日、このクリスマスの時に、心にしっかりと留めましょう。もしも、罪や過失があったら、それを神様に告白しましょう。そして、その告白と共に、その罪や過失は神の恵みによって赦されます。わたしたちの罪を赦すために主イエスは来られて、あの十字架にまで架かってくださったのですから。主の赦しの愛に感謝し、主の手に委ね、主よ、わたしはあなたを信じますと告白する時、神は人間の弱さや罪まで栄光へと変えてくださいます。
クリスマス。それは「神様の永遠の恵みと愛」が現れたときなのです。「永遠の恵みと愛」をしっかりと受け取りましょう。馬小屋の飼い葉おけのようなわたしたちの心ですが、この心に、「永遠の光、永遠命、永遠の愛」であるイエス様を受け入れましょう。メリー クリスマス!!