2024年3月3日(日)新宿西教会主日礼拝説教「信仰生涯の恵みの秘訣」ーあなたの若さは鷲のように新たになるー詩篇103:1~5-深谷春男牧師

《新宿西主日礼拝説教》 「信仰生涯の恵みの秘訣」 2024・03・03

詩篇103篇1~5 ― あなたの若さは鷲のように新たになる ― 深谷牧師  

先週の2月27日~29日は、「第58回、北海道ケズィック・コンベンション」という集会に招かれて御用をしてきました。ケズィック・コンベンションは、150年近く続く、イギリスの恵み豊かな聖会で、多くのすばらしい先生方がメッセージをしてこられました。前回、説教で引用させて頂いた、FBマイヤー先生とかBFバックストン先生も御用をされた聖会です。

今回は、英国ケズィックの前の責任者、ジョナサン・ラム先生と共に、日本人講師として説教を頼まれ、畏れを持って御用をした参りました。皆様に祈って頂いて、勇気を頂き、詩篇から23編、32編、108編と語らせて頂きました。

2月の北海道は大変な寒さで、風も強く、飛行機が2時間半も遅れたりしましたが、さまざな困難を超え、主にある大きな祝福を頂いて帰って参りました。4年間のコロナの世界的なパンデミックを越えて、新しいキリスト教の霊的宣教のうねりをとの熱き祈りを感じる恵みの集会となりました。ある先生が最後の別れの時に顔を輝かせて言われました。「深谷先生。ありがとうございました.わたしは今回の聖会で、塩屋聖会と同じ霊的流れを体験しました。信仰は、主の臨在と御言葉に満たされて歩むことですね。それはまた、十字架の贖いと聖霊の満たしを受けて、喜びつつ歩むことですね。感謝します!」

【詩篇103の概略と内容区分】 

さて、この詩篇103篇は旧約の中において新約の福音のような輝きをもっています。神を賛美し、喜びつつ生きる生涯のすばらしさをこの詩は教えます。

「この詩は聖書信仰の木に咲いた最も清らかな花のひとつである。その根を聖書の最も深い源泉に下ろしつつ、この歌は、高貴な澄みわたった響きをもって神の恵みを歌い上げ、後の何世紀にもわたって文学をも人生をも豊かにしてきた」(A・ヴァイザー)と紹介されているとおりです。

この詩編の構造は壮大で、以下のようにまとめることができます。 

     1ー 5節 個人への神の祝福                                     6ー10節 民族への神の祝福

11ー18節 人類への神の祝福

19ー22節 全被造物への神の祝福

 今日は時間の関係で、「個人への神の祝福」の項目だけを取り上げてみたいと思います。神の御業は、その人の人格、魂への油注ぎに始まるからです。

【メッセージのポイント】

1)「赦すお方 すべての あなたの罪を」(3節a直訳)。 

  ⇒ 罪の赦し!

 3節から5節に分詞形で5項目にわたって神ご自身への告白が歌われています。これは神ご自身の本質の表明でもあります。分詞形を日本語で厳密に訳せば「・・されるお方」という表現となっています。それが5回繰り返され、ヘブル語を話す人たちには非常に印象的に響きます。

その第1の内容は「赦すお方、あなたのすべての罪を」です。

これは神の本質をズバリッ!と告白しています。「罪の赦し」を、神をたたえる第一の理由とすることは実に聖書的です。これは新約の十字架の福音へと通じている旧約聖書から続く一筋の赤い糸です。

2)「癒すお方 すべての あなたの病を」(3節b直訳)。

   ⇒ 病の癒し!

 詩人の主をたたえる理由の第2は「病の癒し」です。

罪の赦しを受けた魂は霊的にも肉体的にも癒しの業が始まります。魂は様々な問題で傷つき、病んでいます。現代世界のような複雑高度な社会に住むわたしどもは日々、多くのストレスの中に生きています。主の愛と赦しと恵みに触れる時に、人は癒しと解放を経験するのです。

「我は主にして汝を癒すものなり!」(出エジプト15:26)

3)「贖うお方 墓穴から あなたの命を」(4節a)。

  ⇒ 永遠の命!

 主をたたえる理由として第3は「永遠の命」、われらの命を、死をも越えた世界に導くお方のゆえに!と語っています。これは、「墓穴から、あなたの命を あがなうお方である」と告白されています。人間の問題は、つきつめれば「罪と死」であると聖書は教えています。創世記第3章のアダムとイブの記事で「罪の本源」を、4章の人と人との間の断絶で「罪の現実」を、5章の人間の系図で「死の到来」を語ります。わたしどもはすでに十字架と復活において、わたしどもを「罪と死の呪い」から「贖い給うたお方」を知っています。その「贖うお方」は、御自ら墓にくだり、死を以って死を滅ぼされた復活の主イエスご自身なのです。

4)「あなたに冠するお方 慈しみ と憐れみを」(4節b)。

  ⇒ 神の最愛(ヘセド)の冠!はしれども疲れず、あゆめども倦ざる

 第4は「神の最愛を冠とする生涯」を歌います。わたしどもの生涯はいつでも「神の慈愛」を冠のように頂いているのだと言います。「慈しみ(ヘセド)」は真実な夫婦間の契約愛を意味しています。「憐れみ(レヘム)」という言葉は、胎児への母のやさしさと献身を意味しています。主イエスのやさしい愛と真実!わたしどもの人生はまさに1コリント13章のように、神の愛に支えられ、人生の冠としてこのヘセドを頂いているのです。

この詩には特に、「慈愛(ヘセド)」4回使用されています(4、8、11、17節)。その4回が、個人、民族、人類、全被造物のそれぞれの箇所に使用されています。神の愛、神の慈しみが、この世界には充満しているのですね!

5)「満足させるお方 良い物で あなたの麗しさを」(5節a)。

  ⇒ 神の最善(トーブ)の満足!

 神をほめたたえる第5の理由は、「良いもの」で満足させてくださるお方であるからと告白されています。神様の本質は聖であると共に「善(トーブ)」です。「主は善にして善を行われる」(詩篇119:68口語訳)。神が創造された世界は「良かった」のです。6日目は「はなはだ良かった」(創1:31)のです。「神様は最善以外の何ものもなさらない」。主は善き物を与えられるのです。「聖霊の満たし」はその最たるものです。この「善(トーブ)」は、詩篇23:6では「恵み」と訳されています。魂の内側が神の最善で満ち足りますように!魂が神の恵みが滴り落ちるような、潤いを得ますように!ハレルヤ。

6)新しくなる 鷲のように あなたの若さは(5節b).

  ⇒ 鷲のような若さと命!

 今まで見てきましたように、この聖書の箇所は、動詞の分詞形を用いて神様の御性質を告白してきました。すなわち主は

「罪を赦し給うお方」、

「病を癒し給うお方」、

「永遠の命へと贖い給うお方」、

「最愛という冠を与え給うお方」、

「最善の満足を与え給うお方」であると歌うのです。

これらの神の恩寵充ち満てる生涯は、わたしどもの人生を「新しく」してゆきます。信仰者はその人生の最盛期の時のような「若さ」という生命力が、その腹から湧いてきて、内側に充満し、天空を駆け巡る「鷲の如く」飛翔する力を得るのだと言うのです。イザヤ書40:31には、

「また鷲のごとく翼をはりてのぼらん。べし」 (文語)とあります。

皆さんが、賛美しながら、輝く姿は、鷲のような姿ですね。

堂々として天空を舞う鷲の姿。激しい逆風をもその翼にはらんで、高く舞い上がるためのエネルギーとして利用し、太陽をにらんで天がけるその姿は非常

に力強く雄大で、見る者に感動を与えます。行く手を遮るような大きな山。国と国を隔てる果てしない海原。その上をあらゆる障害や困難を越えて、空高く舞い上がり、それを乗り越えて行く鷲の姿。これはクリスチャンの姿です。

7)わたしの魂よ、主をたたえよ。

わたしの内なるものはこぞって聖なる御名をたたたえよ(1節)。

 ⇒ 魂の底より、全存在をそそぐ神への賛美!

 最後に、冒頭に帰りましょう。1節で、詩人は自分の魂に語りかけます。「わが魂よ。主をたたえよ」と。わたしどもも今日、自分の魂に語り掛けましょう。また「内なるものはこぞって、聖なる聖名をたたえよ」とあります。わが内なるすべてとは「五臓六腑(心臓、肝臓、胃腸等の内蔵)」を示す言葉です。わたしどもは全身全霊で創造主なる神をほめたたえるのです。現代流にいえば、細胞の一個一個、血液の一滴一滴、DNAのあらゆる組織に至るまで、主をほめたたえ、その恵みを忘れるな、と詩人は歌っています。

主イエスの御救いを受けたクリスチャン生涯は、主をたたえつつ歩む人生です。今日は7つもポイントを挙げましたが、しかしこれは実に聖書の指し示す救いの恵みの要約のような趣があります。

①罪の赦し、②病の癒し、③永遠の命、④最愛の冠、⑤最善の充足、⑥これらの恩寵を受け鷲のような新たな命の充満、そして⑦主の創造と救いを心からほめたたえる勝利の生涯!ひまわりが命の源なる太陽に向かって、美しい花を開くように、わたしたちも救いの源、いのちの源なる神様の口と心を開いて賛美すべきです。ハレルヤ   

【祈り】 万物の創造主なる御神。この朝、詩篇103篇のように、あなたは、

「罪を赦し給うお方」、「病を癒し給うお方」、「永遠の命へと贖い給うお方」、「最愛という冠与え給うお方」、「最善の満足を与え給うお方」です。

どうぞわたしどもの霊の目を開いて、あなた御自身の驚くべき恵みを悟るものとしてください。そして、心いっぱいあなたをたたえるものとしてください。鷲のような若さと命に満たして一週間の旅路を歩む者としてくださいますように。栄光の主、われらの救い主、主イエスの御名によって祈ります。アーメン