先週の週報のコラムに、「最近祈りの中で示される聖句」という文章を記しました。「今年の一月以降、暗唱しながら祈っている聖句があります。一日にリハビリを兼ねて、5000歩から7000歩ぐらいを、聖書の御言葉を暗唱しながら歩いていると、御言葉が、直接、神様の口から発せられるように感じて、胸が熱くなりますね。その恵みの聖句をご紹介!
◇①イザヤ41:10。
「恐れるな。わたしはあなたと共にいる。驚くな。わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わが勝利の右の手であなたを支える。」これは今年の教会への聖句であり、恵みと力はこの言葉にあり!
②創世記12:1~4。
「歩け!本当の自分自身に向かって(レフ・レカー)」。わたしの示すところに歩め。あなたは「祝福の基」となる。アブラハムはこの時75歳だった。
③詩篇57篇。
・苦しみの中で、神様への全き信頼の告白から始まり、・神様の御翼の陰で癒され、強められ、・最後は「わが心定まれり、神よわが心定まれり。我、歌いまつらん、たたえまつらん。筝よ、琴よ、醒むべし、我、東雲(しののめ)を呼び覚まさん」との告白。これはわたしの22歳の献身決意の言葉。・・・・
【聖書箇所の解説】
さて、創世記3章1 節から11章の聖書の箇所は一般に「原歴史」とか「原初史」とか呼ばれます。これは、人間が神に逆らい続ける「呪いの歴史」であると言うことができます。罪と死の支配する呪いの歴史なのです。
創世記3章で神と人との断絶、
4章で人と人との断絶、
5章で死の到来が語られ
6-9章で人間の「乱れと暴虐」が地を覆い、人間は破局を迎える、
10章において諸国民の系図。バビロン等の古代武力国家の罪の蔓延、
11章においてバベルの塔。科学技術文明の根本が罪と死の呪いの中に。
人間の世界は、「全てがよかった」と言われる創世記1章の創造の世界とは別に、恐ろしい「呪いの世界」となってしまいました。その源は3章の「アダムとイブの堕罪」に根源があります。
ここでは、人間と人間の罪の本質が語られ、救いのなさが宣言されます。しかし、神はこの絶望的な人間の世界に、12章から「救いの業」を始められました。それは、アブラハムの選びです。神はアブラハムを選び出し、彼に信仰の道を示し、彼を祝福の基とされました。創世記12章は非常に重要な章です。
【メッセージのポイント】
- 1 時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。 (1節)
⇒ 歩け!本当の自分自身に向かって。
「レフ・レカー(歩け、自分自身に向かって)」(1節)と言うのが今日の聖書箇所です。これが、神がアブラハムに語ったメッセージです。昔は聖書に章や節がついておりませんでした。現在のように創世記12章1節と言わず、この箇所を最初の言葉をそのまま引いて「レフ・レカー(歩け、自分自身に向かって)の巻」と呼びました。
「レフ」というのは「ハラク」(歩く)の命令形です。
「レカー」というは、「あなたに向かって(to yourself)」あるいは「あなた自身で(by yourself)」、「あなたの足で」というような内容の言葉です。
全能にして、天地の造り主なるお方が、今、アブラハムに語りかけます。
「アブラハムよ、あなたは歩いて行きなさい。自分自身に向かって。自分自身の足で。本当の自分自身になるために」というような内容になるそうです。
アブラハムの召命を指し示すこの有名な箇所は、本当に自分自身へと出発する一人の人物の物語なのです。アブラハムは今、新しい出発をします。それは「信仰の父」にふさわしい出発でした。神と断絶し、人と断絶し、罪と死の呪いの中に落ちてしまった人類に、祝福の世界をもたらすための出発でした。
この「レフ レカー」の内容は、アブラハムの生涯の本質を示す言葉ということができます。神に全幅の信頼を置いて、彼は、本当の自分自身に向かって歩み始めたのです。信仰の生涯は、本当の自分自身、本来に自分自身をしっかりと発見し、生きる喜びを得、人々にも神の祝福を分け与えるすばらしい、自分自身に向かう旅のことです。それは心沸き立つ冒険と、神の「絶大なる力」(エペソ1:19)に守られた、祝福と喜びに満ちた生涯なのです。
2)1 時に主はアブラムに言われた。「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。」 (1節)
⇒ 歩け!国から、故郷から、父の家から離れよ。
さらに主は語られました。「分離し、別れなさい!」と。
ここには、分離してゆく三つのものが記されます。「国」と、「故郷」と、「父の家」です。(新共同訳では意訳され、「生まれ故郷」と「父の家」の二つとなっていますが、本来は、三つからの分離が語られています。ある方の説明によると、「国」は地理的な関係、「故郷」は世的な関係、「父の家」は血肉的な関係を意味するそうです。言おうとしている内容は、かつてアブラハムが属していた、「国」と「故郷」と「父の家」を指しています。それはカルディアのウルを指しています。そこは、偶像礼拝の盛んなところでした。偶像礼拝とそれを中心に形成されていたアブラハムの古い世界のしがらみからの脱却が語られています。この世界の唯一の造り主である御方、この世界の唯一の救い主である御方、この世界の唯一の歴史の導き手である御方は、この世界の偶像礼拝の世界から、また、恐ろしい罪と死の支配するこの世界から、人類を救うために、まず、アブラハムを選び、彼を召し出し、救いの業を始められたのです。新しい出発の第二の主題は、偶像礼拝から真の神へという出発でした。
3)1 時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。 (1節)
⇒ 歩け!わたしが見せる地に向かって。
ここでの、三番目のポイントは、「わたしが示す地に」行くようにという導きです。直訳では、「わたしが見せる地」に行けということです。それは、召命を受けた時には、具体的にはどこであるかわかりませんでした。ですから、ヘブライ人への手紙11章では、「彼は行く先を知らないで出て行った」と記し、信仰は主の指し示すところへ、まっすぐに進み行くことと教えています。
以前、「目的地のわからない旅」という絵本がありました。わたしはこれはすぐに、「あ、アブラハムの物語だな?」と思ってめくってみました。そしたらそれは、アブラハム物語ではなく、モーセの出エジプトの物語でした。その時思いました。「そうか、アブラハムも、モーセも大変よく似ていて、神様に導かれるままに、行く先を知らないで出て行った。」(へブル11:8参照)ととても印象深く思ったことでした。信仰は、主の示す地に向かうのです。
4)わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。
3 あなたを祝福する者をわたしは祝福し、
あなたをのろう者をわたしはのろう。
地のすべてのやからは
あなたによって祝福される。」(2、3節)
⇒ 歩け! 祝福の基となる目標を目指して。
今、アブラハムと同じように従おうとするあなたに、主は深い愛をもって宣言されます。「あなたは祝福の基となる」と。
憎しみと不満の中に歩んでいたわたしたちの呪いの生活を、主は、愛と喜びの祝福の生活へ変えて下さるのです。C・ヴェスターマンによれば「祝福」とは「未来を切り開く命の力」です。ここには5回「祝福」なる言葉が出てきます。これと反対に実
は創世記3章の堕罪以来、「呪い」という言葉が5回記されておりました(3:14,17,4:11,5:29、9:25、)。信仰は、呪いの生涯を祝福の生涯に変えるのです!呪いから祝福へ。今、主イエスの十字架と復活の福音により、罪の赦しと永遠の命を与えられ、聖霊の導きの中で、神の恵みの世界は開かれました。未来へ向かって、扉は開かれました。しかもこの神の祝福の世界は、一人アブラハムの祝福でとどまらず、罪と死で汚染されてしまった人間世界全体を、神の愛と恵みに覆うという壮大な神の救済計画として示されることになります。アブラハムがこの真の神への信仰を持ち、祝福の生涯に入り、このアブラハムの信仰によって全世界が祝福へと導かれてゆくのです。それは創世記22章、神の贖いの業の完成への信仰。
その時、「アブラハムは75歳であった」と記されています。
実は、わたしは皆さんに祈られて、今年、75歳になりました。昨年から、2025年2月4日の誕生日は、「さあ、アブラハムの献身の年!心新たに、祝福の基としての献身の出発しよう!」と備えておりました。しかし、12月19日、ヘルニアの手術を受けることになり、びっくりしてしまいました。しかし、1970年に、20歳の時に、赤羽教会で信仰生涯を出発するとき、集会の看板に「あなたは祝福の基となる」との聖句が書かれており、主よ、アブラハムの信仰をもって従わせてください!と祈った祈りが受け入れられて、赤羽教会の教会員となり、そこから神学校に行き、1978年に赤羽教会に招かれ31年の牧会伝道、そして2009年から、東京聖書学校で9年間、聖書学校の舎監と牧師、そして2018年、新宿西教会へと招かれてやってまいりました。そしてあっという間に7年間が過ぎました。全能の神様が、わたしども新宿西教会の兄弟姉妹の信仰と献身を受け入れてくださり、素晴らしい勝利の御業を推し進めてくださることを信じて、喜びをもって祈り続けております。
【祈り】 天の父よ。わたしどもは今、アブラハムのように、心新たに献身の生涯を出発したいと願っています。どうぞ、「真の自分に向かって」、「偶像から聖別」され、「呪いの世界を祝福に変える祝福の基としての生涯」へと進ませてください。全能なる創造主なる御神よ、主イエスの十字架と復活によって罪と死の呪いから世を贖い、聖霊なる神によって救いの完成へとわれらを導き、全世界に、救いと祝福とリバイバルの恵みを!御名によって。アーメン。
